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>病気と症状>過活動膀胱>症状と原因⇔治療と予防
過活動膀胱は膀胱にうまく尿が貯められなくなった状態で、蓄尿(尿を溜める)という膀胱機能の障害です。「我慢できないような尿意が急に起こる」「すごくトイレが近い」「急に尿に行きたくなり、我慢できず尿が漏れてしまう」などの症状があります。若い方から年配の方まであり、年齢と共に多く、男女共に起こりますが、50歳以上では男性にやや多くなってきます。過活動膀胱があると、恥ずかしいと思ったり、孤立感を味わったり、仕事や社会の制限をしたりしている人もみられます。過活動膀胱では比較的簡単な検査で診断は可能で、骨盤底筋のトレーニングや食事や飲水などの行動療法で効果が得られるかもしれません。頻尿や尿漏れでお悩みなら一度、泌尿器科専門医での受診をおすすめします。
急に尿意をもよおして我慢出来なくなる。慌ててトイレに駆け込む。一旦尿意が気になり始めると我慢できなくなるなどの症状があります。トイレに1日8回以上行くあるいは尿が2時間以上持たない、トイレに行っても尿はあまり出ないなどの症状を引き起こします。症状が現れるきっかけは、手洗いや炊事で水をさわった時やトイレに行けない状況の時、外出中、夜中尿意で目覚めた時などにもみられます。
40歳以上の男女8人に見られる比較的ありふれた疾患なので、ご自身で心配になったり、だれかに相談したいなっと思ったときが泌尿器科への受診のタイミングといえます。
正常の場合は、左右の腎臓で作られた尿は、尿管と言う細い管を通り膀胱に入ります。膀胱にたまった尿は、尿道と呼ばれる管で体外排泄されます。膀胱から尿が漏れない様に尿をせき止めているのが尿道括約筋になります。
女性の場合は、尿道は膣の上に開口しています。膀胱に尿がたまると、膀胱から脳への神経伝達があり、最終的に、脳が排尿の命令を神経刺激として出します。この刺激を受け排尿するときは、骨盤底筋と括約筋が緩み、膀胱の筋肉が収縮してて尿を膀胱から押し出します。
過活動膀胱は膀胱の不随意な収縮によっておこります。尿量があまりたまっていないときに、無意識に尿を排泄しようとする膀胱の筋肉の収縮です。この無意識の不随収縮で、尿意切迫感がでてきます。
神経伝達を過剰に起し、不随意な収縮を起こす原因として、脳出血や脳梗塞などが原因で脳と膀胱を結ぶ神経の障害で起こる場合(神経因性)と、それ以外の原因で起こる場合(非神経因性)があり、下記のような状態が考えられています。
危険因子として加齢や前立腺肥大症、脳梗塞やアルツハイマー病などがあります。
加齢などにより膀胱・子宮・尿道などを支えている骨盤底筋の筋力が弱くなったり、出産によって傷んだりします。骨盤低筋肉の筋力の低下による骨盤底筋群の脆弱は、過活動膀胱の原因となります。更年期以降の女性の場合、女性ホルモンが不足した結果、膀胱や外陰部などが過敏になってしまうことがあります。ホルモンの低下は、尿漏れや頻尿につながります。この場合も過活動膀胱が原因になることがあります。
前立腺肥大症などで尿が出にくい状態が続くと、尿をなんとか出そうと膀胱に負担がかかります。これを繰り返していると、膀胱の筋肉が傷み、少しの刺激で過敏な反応をするようになり、過活動膀胱が起きます。上記以外の何らかの原因で膀胱の神経が過敏にはたらいてしまう場合や、原因が特定できない場合もあります。いくつかの原因が複雑にからみあっていると考えられています。この原因の特定できないものや加齢によるものが、実際には最も多く存在しています。膀胱の排尿筋そのものを自分の意思で動かすことはできません。したがって過活動膀胱では、ぎゅっと収縮した排尿筋をリラックスさせることがとても重要なのです。
尿失禁は原因よらず生活の質を低下させます。過活動膀胱により切迫性尿失禁は、筋力の低下などが原因の腹圧性尿失禁と混在していることも多いです。泌尿器科専門医では、さまざまな膀胱の問題をいくつかの治療の組み合わせで解決していきます。
過活動膀胱の予防策は、原因と考えられていることを生活習慣より少なくしていくことが近道です。
などがあります。港区きつかわクリニックででは、まずはしっかりと生活習慣をみなおし、規則正しい食生活と定期的な運動を行うことをお勧めしています。肥満やメタボリック症候群は、排尿症状にとっては大敵です。また、膀胱への刺激をさけるためカフェインやアルコール、喫煙なども控えて頂く様に指導させて頂いています。骨盤底筋体操は難しく考えずにどなたでも、いつでもできるエクササイズなので生活に取りいれてただけるように推奨しています。
きつかわクリニック 泌尿器科専門医 吉川慎一
2013年8月作成 最終更新 2021年7月19日
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